障労学習会・事務局会議
 
「障労」定例会

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  2006年10月30日(月)18:30 (神奈川県民センター702号)  
 

「障労」定例会 2006年10月30日(月)18:30 (神奈川県民センター702号)
 「健康増進法」「食育基本法」などを読んできましたが、いずれも教育基本法改訂のねらい――能力主義教育のさらなる推進による「分離教育」の徹底化と「ゆりかごから墓場まで」国家による教育管理、「愛国心」を教育の目標の1つに掲げ、教育を「『(国民)全体の奉仕者』の育成」から「国家への奉仕者の育成」に変えようとする――こうした動きと連動しているように思われます。
 したがって今後、教育基本法なども含めて、「教育」の問題を軸にして、考えて行きたいと思います。
 今回は、「管理と統制が進む教育現場」を、ジャーナリストの目で追い続けている池添徳明さんにお話をうかがう予定です。
 なお、岩波書店の『世界』4月号に、「ある新人教師の死」という池添さんのルポが載っていますので、ご参照ください。

「障労」定例会 2006年7月31日(月)18:00 (神奈川県民センター704号)

 前回(6/19)は、「食育基本法」を読みました。いろんな意味で「奇妙な」法律ですが、食育を「知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの」と位置付けており、教育基本法の改訂案とも併せてみると、「心身共に健全」であることが「国民の責務」であり、「そうではない人間(例えば障害者など)」の差別・排除がますます強まる社会になりそうです。
 今回も、健康増進法や食育基本法、教育基本法なども含めて、考えてみたいと思います。
 「出版」は、2分冊案が出版者側の営業的な立場から難しいので「徳見さんの事例を通して、障害者が働くとは、社会参加とは、自立とはを問いなおす読み物にできないか」という希望がありました。裁判の記録はきちんと残したいというこちらの気持ちは、べつの形で検討することにして、出版者側の希望に添って、企画を練り直すことになりました。

「障労」学習会(兼事務局会議) 2006年6月19日(月)18:00 (神奈川県民センター712号)
 前回(4/24)は、「与党教育基本法改正に関する協議会」の最終報告について、北村小夜さんから緊急アピールがありました。「改悪・教育基本法」では、「9年の義務教育」や「男女共学」の規定が消え、障害児を普通教育から排除する「分離教育」が明文化され、能力主義教育のさらなる推進を図っています。一方で幼児教育・家庭教育なども規定され「ゆりかごから墓場まで」国家による教育管理がなされます。「愛国心」を教育の目標の1つに掲げ、教師を「崇高な使命を持つ者(聖職者)」と規定し、教育を「『(国民)全体の奉仕者』の育成」から「国家への奉仕者の育成」に変えることをもくろんでいます。
障害者の分断・隔離・ 排除を許さない立場から、これからもこのような法律(社会)に対して、闘い続けたいと思います。

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2004.2.14
障労学習会

講師・山田真さん


 障害児(梅村涼さん)の父親として、また小児科医として、今の社会のあり方について問題を提起され続けている山田真先生に、「ますます能力主義が強まり、優生思想が跋扈(ばっこ)し、障害者の囲い込みと排除が強化されている状況の中で、私たちは何を問い、どう行動すればいいのか」――をふくめて、「今の時代」を語っていただければ……と思い、講演をお願いしたところ、こころよくお引き受けいただきました。
 「能力主義・優生思想が公然と語られる寒気のするような社会」について語りたい、とのことです。
▼障労の会員で、障害児をもつお母さんのコメントです▼

 今年の7月に、大田区の北村小夜さんの会で山田さんのお話を聞くことができました。
 内容は、娘さんの成長の様子だったように思います
 話の上手な方なので、どんな内容の話でも説得力があると思います。
 ですから逆に、山田さんのような方でも、壁にあたったり、迷ったりということがあるのかなと思います。
 強い親としての立場ばかりでなく、葛藤のようなものがあれば聞いてみたいかな……。
山田真のプロフィール(「梅村こども診療所」のホームページより)
山田真さん 自分では小児科医のつもりだが、患者さんからは内科医と思われている。広く浅い知識で、三十余年、診療を続けてきた。
 八王子中央診療所の理事長という「要職」にあるが、経営者としては全く無能というか、経営者としての仕事をしていない。梅村こども診療所では連れ合いに雇われている一介のパート医なので、ものすごく気が楽である。
 医者の仕事については仕事の虫で、息子に「仕事が趣味なんだから幸せだ」と言われている。しかし、実際は仕事が好きというより仕事はキチンとしなければいけないという脅迫観念があるのだ。
 機械に弱く、手先、無器用。外科医にならなかったことで少し社会に貢献した。昔はこまどり姉妹の追っかけ。今はとんねるずのファン。「鉄道唱歌」を六十五番まで全部歌えるのが特技。田辺聖子さんだったと思うが「鉄道唱歌全部歌えてぼけている」という川柳がある。そうなる日も遠くないと思っている。(山田真)

山田真先生講演の報告
 2月14日、神奈川県民サポートセンターで、山田真先生に講演をしていただきました。先生は小児科の医師であり、知的「障害」をもつ娘さんを地域の学校に高校まで通わせた経験をもつ方で、教育改革(改悪)の状況を背景にしつつ、このほど成立した「健康増進法」の問題点について解説していただきました。
 健康増進法は、その目的として、「この法律は、我が国における急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化に伴い、国民の健康の増進の重要性が著しく増大していることにかんがみ、国民の健康の増進の総合的な推進に関し基本的な事項を定めるとともに、国民の栄養の改善その他の国民の健康の増進を図るための措置を講じ、もって国民保健の向上を図ることを目的とする」とされ、国民に対して健康であるよう努力する義務を定めています。
マスコミなどでは禁煙に関することのみが協調され、一般にもその側面しか知られていませんが、内実は恐ろしいものを含んでいるのです。日本国憲法の解釈では、どういう生活スタイルをとっても自由なので、努力義務とされたのですが、事実上強制力をもってくるとのことです。
 例えば、地方(農村部)で、村中で6時に起きて9時に寝るという運動をしたとします。強制はしないものの、遅くまで起きている人は村八分のような状態になる、病気は減るがそれ以上に国にとって重要なのは治安管理ができるということなのです。有事法制が着々と整備され、国民を戦争へとかりだすことが必要になりつつある今、人々を統制するのに他の目的ではやりにくいが、健康増進ということならばやりやすいというのです。
 そもそも保健政策が日本で完備されたのは1939〜45年で、まさに戦争遂行の目的によるものでした。戦争に役立つ者には健康になってもらい、そうでない者は切り捨てるというものです。
結核予防も、兵力になるべき青年層が倒れてしまうことを見過ごすことができないという国の意図がはたらいているし、学校での健康診断や体力測定も、徴兵検査の前に人を分類するために、この時期にはじまりました。
 同様な政策を行ったのがナチスドイツです。ヒトラーは、優秀なドイツ民族を生んでくれるというので、女性を大切にしたので、人気があったそうですし、清潔好きでさまざまな健康対策を行いました。
 このように書いてくると、次世代育成支援だとか自助努力だとかが言われる今日と、大変よく似ていることがわかります。平時にはあまり国にとって健康対策は必要ないのですが、戦争のできる国づくりをしようとする今だからこそ、このようなことが言われるのでしょう。
健康増進法の前に定められた「健康日本21」では、「1日何歩歩くように」とか「塩分を減らすように」とか、ことこまかに書いてありますが、素人にとっては当たり前のようですが、医師の目からみると、まだ様々な説があって確定したことは言えないことに対しても、「一元的にこうしろ」と言っており、問題があるとのことです。
ということは、「こういう生活をしないと非国民」という雰囲気をつくっていくというのがそのねらいとのことです。
 一方社会はどのように変えられようとしているのでしょうか? 先生が関心をもっている教育問題を中心に語られました。
 例えば『機会不平等』という本によれば、教育改革にたずさわっている人の一人である江崎玲於奈氏は、就学時健康診断で遺伝子によって人を選別したいと考えています。
また、個性重視とか「ゆとり教育」と言っているが、本音は「できる子はどんどん先に進み、非才・凡才は遊んでいてもいいから、できる子の足を引っ張らず、実直な精神を養え(三浦朱門)」と言っているのです。
どの子も一緒に学ぶという、障害者運動などで言ってきた、いわゆる「地域の学校」が崩壊しつつあり、能力別に人が選別される方向に進んでいるのです。

 講演後、質疑応答をおこないましたが、どのような側面からの質問にも的確で深みのある回答をしてくださったので、また機会があればお呼びしたいと思います。なお、関係のありそうな質問をいくつか拾ってご紹介します。

Q.健康増進が言われる背景には、戦争のことだけでなく、少子・高齢化のなかで、社会保障費が不足しているということもあるのではないか?
A.医療の不足ということはよく言われるが、過剰な医療ということに注目すべきである。例えば職場の健康診断など、今行なわれている内容では、ほとんど意味がない。その職業に必要な検診をおこなうべきだ。CTスキャンとかMRIなども、欧米ではほんとうに必要な人にだけ行われているが、日本ではすぐに使う。この検査は金がかかる。こういうことの一方で、在日外国人は十分な医療を受けられていない。

Q.薬づけ・検査づけ医療が問題になっているためか、近年東洋医学をとりいれる西洋医学の先生も増えているようだが。
A.日本で西洋医学をとりいれることになったのは日露戦争のときで、戦場に漢方医と西洋医学の外科医をつれていって、外科医のほうが役にたったから。戦場ではけがの治療が多いので、当然の結果である。医学的にいいから西洋医学にしたというのではない。また、近年漢方薬が健康保険で使えるようになったのは、武見太郎が医師会会長だったとき、友人に東洋医学の人がいたからで、科学的に東洋医学の効果が示されたからではない。

 お話の幅が広く、まとめるのに苦労しましたが、医療・教育問題を基軸にしながら、今の社会が向かおうとしている方向を明らかにすることができた講演だったと思います。
能力主義の強化と戦争のできる国づくりが着々と進んでいることを背景にして、徳見さんの敗訴があったということをおさえつつ、運動を強化していきたいと思います。

[参考文献]
先生が紹介した図書をここに記しますので興味のある人は読んでみてください。
・『健康帝国ナチス』ロバート・N.プロクター 宮崎 尊訳 草思社 2003.09
・『健康増進法と地域保健法 : 実行ある健康増進施策の推進のために』河原和夫 サンライフ企画 2003.06
・『機会不平等』斎藤貴男 文藝春秋2000.11
・『医療と文化』リン・ペイヤー 円山誓信・張知夫訳 世界思想社 1999.5
       (文責 伊藤)


        

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