11月30日 益子町の「尊厳死・臓器移植」事件の刑事告発
東大PRC(患者の権利検討会)企画委員会の本田医師が、益子町の「尊厳死・臓器移植」を行った田中医師を殺人罪で告発するので、共同告発人になってほしいと、24日ごろ何人かから(別ルートで)徳見に依頼があった。
このような「殺人」がまかり通るならば、「社会の役に立たない」障害者は「尊厳死」を強制され「せめて、臓器を提供することで、社会のお役に立て」として、無理やりに臓器を取られるような時代になるのではないか。というわけで、その夜、ただちに告発人を承諾する旨の連絡をする。
そして、今日宇都宮地裁に、24人の連名で告発。なお、翌日12月1日の新聞によると、「殺された」小川晶子さんの弟で、立命館大学教授の深井氏が「姉の死を踏みにじられた」として、告発人を逆に告訴するという。「尊厳死・安楽死」を認め、臓器移植を認める立場からの「姉の意志の尊重」なのだろうが、安易にこのようなことを認めたとき、「生きるべき命」と「死ぬべき命」を、本人とは違う第3者が決定することになる。平たくいえば、「どうせ助からない命だし、これ以上治療しても金がかかるだけだから早く殺して、まだ社会で役にたつ(活動できる)人のために、臓器を役立てるべき」というのだ。
「臓器移植さえすれば、助かる」という幻想の上に立って、「どう治療するか」ではなく、「いつ殺すか」というのは、もはや「医療」とはいえない。